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 診療について

診療について

広島大学病院精神科には臨床精神薬理学、認知行動療法、リエゾン精神医学、緩和医療・精神腫瘍学、睡眠精神医学など様々な専門性を持つ医師が在籍しており、各々の医師同士が連携して診療に取り組んでいます。
診断基準に基づいた診断や統計的な根拠に基づいた治療を原則としていますが、患者さんの苦痛や生活上の困難さの原因がどこにあるかを多様な専門的視点から考え、一般的な治療にとどまらず、生活の質や価値までを含んだ回復を目指した個別の治療目標と治療法を患者さんと共に選択していく診療をモットーとしております。

外来治療について
医学的根拠に基づいた標準的な治療指針をもとに、薬物治療と精神療法(カウンセリングなど)を中心に治療を行っています。また、患者さん状況はそれぞれ異なりますので、患者さんそれぞれの生物学的要因、心理学的要因、社会的要因を紐解き、オーダーメイドの観点から治療を行っています。必要に応じて、心理療法士による認知行動療法などの専門的心理療法や精神保健福祉士による社会資源の利用等の相談も行っています。
また、高度専門外来として、慢性疼痛に対する認知行動療法専門外来やナルコレプシーなどに対する睡眠専門外来も設けています。
入院治療について
病棟では、統合失調症、気分障害、不安障害、ストレス関連障害、摂食障害、器質性精神障害、認知症、睡眠障害、発達障害、児童思春期のこころの問題など、児童から高齢者にわたる幅広い精神疾患を対象として治療や検査を行っています。
治療面の特色として、地域の中核的な有床総合病院精神科であることから、精神疾患に合併した身体疾患や身体管理の必要な摂食障害、修正型電気けいれん療法が適応となる重症・難治性のうつ病や双極性障害、統合失調症の治療に特に力を入れています。
検査入院では、認知症、発達障害、難治性うつ病を対象に、医師の面接による詳細な病歴と症状の評価、心理検査、画像検査などを集中的に行い、短期間で診断や病態を明らかにし、治療方針の組み立てを行っています。特殊な検査入院として、過眠症を中心とした幅広い睡眠障害の診断と病状評価を目的に、終夜睡眠ポリグラフ検査、睡眠潜時反復検査なども行っています。
また、入院患者さんの生活機能の維持・改善と社会復帰を目的に、家事や金銭管理などの生活行為の訓練、社会生活技能訓練(SST)、復職支援などの精神科作業療法を実施しています。精神科への入院患者さんとは別に、一般病棟に入院中の高齢患者さんのせん妄軽減と認知症の行動心理症状(BPSD)軽減を目的に院内デイケアも実施しています。

コンサルテーション・精神科リエゾンチームについて(精神科と他の診療科の連携治療)
当院は特定機能病院として、内科、外科をはじめ様々な診療科で種々の病気の身体疾患の急性期治療を積極的に行っています。当科では、このような精神科以外の診療科で治療を受けておられる患者さんに不眠、不安、抑うつなどの精神症状が生じた際に、各診療科の入院されておられるベッドサイドまで出向いて積極的に診察を行うことで、精神的問題の早期発見・早期治療介入を行っています(令和3年度リエゾン介入件数789人)。
また、当院は高度救命救急センターも併設しており、自殺未遂者も多く受け入れているため、再度の自殺を防止する関わりを行っています(令和3年度自殺予防介入件数94人)。
精神科医師だけでなく、精神科専門看護師、精神保健福祉士、作業療法士、公認心理師、薬剤師といった多職種で構成されるチームで診療にあたり、他の診療科の医師や看護師、患者さんご家族とも積極的に情報共有を行い、多面的かつ総合的な治療介入を行うことで、心身ともにより良い医療の実践を目指しています。