各年次の到達目標は以下の通りです。
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1年次
- 研修先:広島大学病院 精神科
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基幹病院で研修を行い、精神医学・医療の基本をじっくりと習得します。基幹病院となる広島大学の精神科は、20床の開放病棟と比較的に少ないベッド数ではありますが、隔離・観察室も確保しており、難治例、身体合併症例などほとんどのケースに対応し、より緻密な 精神症状の診断と治療の基本の習得に適しています。専攻医は入院患者の主治医となり、指導医の 指導を受けながら、看護、心理、リハビリテーションの各領域とチームを組み、各種精神疾患に対し生物学的検査・心理検査を行い、薬物療法、精神療法、修正型電気療法などの治療を柔軟に組み合わせ最善の治療を行っていきます。外来の患者もほとんどの精神疾患を網羅しており、研修の過 程でほとんどの精神疾患、治療についての基礎的な知識を身につけることが可能です。また、広島大学病院精神科は睡眠障害専門外来を通じて、小児・思春期精神障害症例の受診が多数あり、児童青年精神医学を専門とする医師の指導を受け、入院・外来治療を経験することができます。
- 研修例
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2年次以降(総合病院)
- 研修先(選択):県立広島病院、国立病院機構呉医療センター、広島市立市民病院、広島市立北部医療センター安佐市民病院、吉田総合病院
総合病院精神科において、小児から老年期精神障害、器質性から心因性といった多様な症例を数多く診療します。具体的には県立広島病院、国立病院機構呉医療センター、広島市立市民病院の各総合病院の精神科にて、器質性・症状性精神障害、リエゾン・コンサルテーション、気分障害などが経験できると共に、各施設は、摂食障害、重症気分障害、緩和ケアなど特有の専門性を有しています。
- 研修例:県立広島病院
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2年次以降(精神科専門病院)
- 研修先(選択):瀬野川病院、三原病院、草津病院
3年次下半期(選択研修):瀬野川病院、三原病院、草津病院、ふたば病院、光の丘病院、メープルヒル病院、ほうゆう病院、広島第一病院、吉田病院、小泉病院、安佐病院、児玉病院、千代田病院、ナカムラ病院、松田病院、舟入市民病院、広島市こども療育センター、加茂精神医療センター、呉みどりヶ丘病院 - 研修例:三原病院
精神科専門病院においては、救急・地域医療、依存症も含めた幅広い診療を経験します。研修施設である瀬野川病院、三原病院、草津病院の各精神科専門病院は全て精神科救急システムに参画しており、統合失調症の症例数も豊富です。
選択研修では、各専攻医の関心と病院の特徴が合致する研修も可能です。研修施設はそれぞれ、地域医療、社会復帰支援、老年期精神医療、児童・思春期精神医療、司法精神医療、総合病院精神科医療、薬物依存・アルコール症医療、気分障害リワークなどの専門性を有しています。専攻医は、基本的な精神科の診療技術を体系的に習得できるのみならず、関心の高い専門領域での研修を選択可能です。これらの経験を通じて、精神科ジェネラリストとしての実力を向上させるだけでなく、確実に専門医獲得が可能となり、更に高度な専門性の獲得に繋がる研修となります。